1.平均賃金とは
平均賃金とは
労基法から金銭を支払う場合にその計算の基礎として使われています
労基法から金銭を支払う場合なんてあるの?と思いますが
それがあるんです
以下のような場合です
- 解雇予告手当(労基法20条)
- 休業手当(労基法26条)
- 有給を使った日の賃金(労基法39条)
- 休業補償(労基法76条)
- 障害補償(労基法77条)
- 遺族補償(労基法79条)
- 打ち切り補償(労基法89条)
- 分割補償(労基法82条)
- 減給の制裁(労基法91条)
などがこれにあたります
そして、平均賃金の計算方法ですが
算定すべき事由の発生した日から
以前3か月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額
を
その期間の総日数で割った金額をいいます

賃金総額に参入しない賃金等[労基法12条4項]
①臨時に支払われた賃金
②3ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与、ボーナスは平均賃金に入れない)
③通貨以外のもので支払われた賃金で一定の範囲に属しない物(法令や労使協定に基づかない現物支給)
※算定事由発生日とは算定すべき事件、事故が起こった日の事で起算日の事です
平均賃金の算定事由発生日(起算日)は以下の通り
算定事由 | 算定事由発生日(起算日) |
解雇予告手当 | 労働者に解雇の通告をした日 |
休業手当 | その休業日(2日以上は初日) |
年次有給休暇日の賃金 | 当該休暇を与えた日(2日以上の時は初日) |
休業補償等各災害補償 | 事故発生の日または診断によって疾病の発生が確定した日 |
減給の制裁 | 制裁の意思表示が相手方に到達した日 |
算定除外期間
算定除外期間とは
・賃金の場合は
算定事由発生日~算定事由の発生した日以前3ヶ月に支払われたもの
・日数の場合は
算定事由発生日~以前3ヶ月前まで
からそれぞれ金額や日数を除いたものを言います
つまり、算定除外期間分の平均賃金が安くなるということです
①業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業した期間
②産前産後の女性が労働基準法65条の規定によって休業した期間
③使用者の責めに帰すべき事由によって休業した期間
④育児休業・介護休業とう育児または家族介護を行う労働者の福祉に関する法律に規定する育児休業又は介護休業をした期間
⑤試みの使用期間
それぞれ頭文字をとって、「業産使育介試」で「ぎょうさんいくかいし」とすると覚えやすいです。また、賃金総額から除く「3ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金」など、よく出題される問題が多いので覚えていてください
2.賃金日額
雇用保険の中にも
賃金日額という言葉が出てきます
これは
1日当たりの基本手当(失業保険)の
金額を計算するために
算定対象期間に被保険者期間として計算された
最後の6ヶ月に支払われた賃金の総額
そうして計算した賃金日額に一定率を掛けて出た金額が
基本手当(失業保険)でもらえる一日当たりの金額になります

まとめ
・平均賃金・・・3ヶ月間の1日あたりの平均賃金のこと
。賃金日額・・・基本手当の1日あたりの金額(雇用保険)